雲が生まれる場所

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この町の景色についてガイドブックにはこう書いてあった。

Waking up in chilly Maubisse, 70km from Dili, and watching clouds rising, uncovering the village below, is a highlight of travelling in Timor-Leste.

東ティモールを出国する前に一泊二日でどこかに行くだけの時間があった。選択肢はいくつかあったけど俺はその中からその「雲が生まれる場所」を選んだ。

雲が生まれる場所、マウビシ(Maubisse )はディリからバスで3時間とある。宿のスタッフにマウビシ行きのバスがどこから出るか聞いて俺は宿を出た。

バスターミナルまでは東ティモール版ベモミクロレット、乗り合いミニバン、で簡単にいける。少し遠いが歩いてもいける距離だ。

バスターミナルと呼ばれる場所について俺は少々まごついた。 そこは到底バスターミナルと呼べる代物ではなく道の路肩に数台のバス、トラックが停めてあるだけだった。

マウビシ行きのバスはどれ?聞いてみると一番手前の派手ででかい……トラックだと言う。荷台を改造して人が座れるようになったトラックにはキューバなど何回か乗ったことがあるが今回はちょっとこれまでと話が違う。まず時間が3時間と長くさらにここは道が舗装されているのかいないのか怪しい東ティモールなのだ。

思わず苦笑いがこぼれる。「マウビシ、本当にこれ?」何度もいろんな人に聞いてみたがそうらしい。

そのバス改めトラックに乗り込み待つこと一時間、乗客をぎゅうぎゅうに詰め込んだトラックは出発した。その時点で俺のけつは既に痛くなり始めていた。

国境からディリへの道のご多分に漏れず、この道のりも酷い。舗装されている道路は所々陥没しそこを通る度にトラックは減速し、激しく揺れる。

そんな道を何時間も行く。ディリは曇っていたが晴れ間が射してくる。標高は1,000mを越え眼下には美しい景色が広がる。これだけでキツかったけど来てよかったなと思えてくる。

当初の予定の3時間を過ぎた頃トラックはほぼ中間に位置するアイレウ(Aileu)の町に到着した。そこで多くの乗客が降りトラックの荷台は大分スペースに余裕ができた。

結局4時間半かかってトラックはマウビシに到着した。

標高が1,400mを越えるこの町はほぼ赤道直下の東ティモールにあって気温が20度を下回る。半袖だとかなり寒さを感じる。

あたりは一面霧が広がる。ここは雲が生まれる場所と聞いてはいたがどうやら雲を生みすぎているようだ。霧しか見えない。

この町には観光名所らしい場所はほとんどない。景色が一番の見所なのだがどうやらそれも期待できそうにない。

ほとんど何も見えない中町をぷらぷら歩き回り、一番安い、と言っても高い、宿に泊まった。

明日もこんな天気なら朝からディリに戻ろう。そう思いながら眠りについた。

朝、宿のテラスから顔を出す。昨日よりはましだがあまりいい天気とは言え ない。用意されていた朝食を食べ、外に出た。

このくらいの天気なら一時間くらい町を歩いてもうディリに帰ろうかな、そう思いながら町の高台にあるポウサダ(Pousada de Maubisse)と言うポルトガル統治時代の政府関係者の住居まで歩いた。

少しずつ、晴れ渡っていく空。

ポウサダに着いて少し経った頃には太陽も顔を出した。 そこでは確かに雲が、生まれていた。

美しい…。

自然に呟いていた。 気がつけば一時間ほどそこで雲が生まれる様を眺めていた。

Maubisse, Timor Leste