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『「Chikirinの日記」の育て方』に学ぶブログの育て方

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ブログ運営

前から気になっていた『「Chikirinの日記」の育て方』という本がKindle Unlimitedにあったので読みました。

「Chikirinの日記」の育て方』は2005年3月に始まった社会派ブログ「Chikirinの日記」の運営記です。無名だった著者のちきりんさんがどうやって月間200万PVを超えるブログに育てていったのか、転換期にどのような判断をどのような理由で行ったのかなど、ブログ運営の裏側について書かれています。

さてこの本のはじめにに、

本書は、人気ブログを作るためのノウハウ本ではありません。ブログを書いている人にとっては、何かしらヒントになることもあるでしょう。でも、他の人がこの方法を真似しても、同じ結果が得られるとは思いません。

とあります。

しかし読んでみるとブログ運営者にとって勉強になる点が非常に多かったので興味深かった点についてシェアします。

ちなみにペンネームの「ちきりん」はダビスタ(ダービースタリオンという競走馬育成ゲーム)で強かった馬の名前だそうです。

ブログという「場所」を育てる

ゴールの設定

多くのブログ運営者はブログを通じて自分が有名になりたいと思っていることでしょう。

しかし、ちきりんさんは違います。読者が多いブログではなく、読者が絞り込まれているブログにする、ということをゴールに定めています。

そして、そのために自分の潜在顧客にどのようにリーチするのかということを非常によく考えて運営されています。

例えば、書籍の執筆や他メディアへのブログ記事の転載は自分のブログだけではリーチできない層にリーチできるものだけを使い、対象となる層がブログの読者と被るものは断っているそうです。

Own Mediaを育てる

ライターとして有名になりたいならブログを育てるより、有名なメディアに執筆するほうがいいでしょう。多くの人に考えを広めたい人もメジャーなサイトに書いたほうがいいでしょう。

本業のために名前の認知度を上げたい人もブログに固執する必要はありません。いろいろなところに書いて露出を高めたほうがいいでしょう。

一方でちきりんさんは、

「なにかおもしろいことができる、自分の場所を持ちたい」

と、ブログという「場所」をとにかく大切にしています。

自分のメディアを持ち、そこにセグメントが絞り込まれた読者が多数集まることで広告料なんかを超えた新しい試みができるようになると期待されています。

自分のサイトを育てることは、将来何か新しいことをやるためのインフラを整備し、維持しておくようなものです。

コンテンツを散逸させない

ライターになりたい場合や、本業のために名前を売りたい場合には、積極的に他メディアからの執筆依頼を受け、できるかぎり露出を増やしたほうがいいでしょう。でも、自分のサイト(“ Own Media”)を育てたいなら、そんなことをしては逆効果です。 私は今まで、「ネット上にコンテンツを散逸させない」「すべての価値あるコンテンツは、自分のブログに集める」というルールを、かなり厳密に守ってきました。具体的に言えば、他サイトからの執筆や転載の依頼はできるかぎり受けない、ということです。

他の媒体に寄稿することで「自分のブログ」が持つ場所としての価値は下がってしまいます。

このことは私自身も最近考えていることのひとつです。

私は旅費を稼ぐためにライターとして様々なメディアに寄稿しています。しかし、本当に面白いネタは自分のブログのために取っておきたいという気持ちもないじゃありません。

お金をもらって記事を書く以上面白いネタを面白く書くのは必須です。しかし、他メディアに寄稿してしまうと自分のブログのネタが減ってしまいます。

一時的なお金のために、自分の経験を切り売りしているような感覚に囚われていた私にとってちきりんさんの言葉は強く響きました。

Own Mediaを育てるなら、

最もおもしろい、最も新しい文章は、常に自分のサイトで発表する、これが原則です。

Own Mediaという場所を育てるために何が大切なのか。考えさせられました。

ブログを育てたいのか、自分が有名になりたいのか、その目的、ゴールによって打つべき戦略は変わってくるのです。

バズった翌日に何を書くかは重要

ブログを書いている人ならば多くの人に読んでもらいたいと思っているはずです。

この本ではバズった時の対処法も書いてあります。それは大きく注目された次の日のエントリは特に気合を入れてとっておきの記事を書く、ということ。

そうすれば、バズを通じて来てくれた読者が「この記事おもしろい!」じゃなく「このブログおもしろい!」とリピーターになってくれる可能性を高めることができます。

徹底的な読者目線

この本全体を通して感じるのが徹底的な読者目線です。

「ネットの中の人」にはならない、「つながる世界」でつながらない、など一般的な読者が疎外感を感じないよう、居心地よく感じるように事細かに配慮していることが分かります。

例えば、ブログ界隈で話題のテーマについて書くことについて、

「盛り上がっているから、今日はこのテーマについて書く」という行為は、「流行っているからミニスカートをはく」のと同じで、まったく主体性が感じられません。 流行りモノの後追いをして短期的なアクセスを増やすより、自分が最初におもしろいトピックを発信し、他の人がその後を追いかけてくれるほうが、サイトの価値も上ります。

と一刀両断しています。

その他、人気の火付け役になったはてなブックマークとの決別やコメント欄の閉鎖など、ブログ運営上の重要な決断をどのように下したのか、SNSを活用するうえでの注意点、炎上のコントロールなど、ブログを運営するうえでの判断の参考になることがたくさん書かれています。

ブログ運営者がすべきこと

ブログがヒットするかどうかはブログの内容だけでなく、運の要素が強いこともこの本では言及されています。

ちきりんさん自身、「Chikirinの日記」がこれほどまでに有名になったことについて、はてぶやツイッターなどの強力な口コミ力を持つウェブサービスの発展、コンテンツ消費の舞台が既存メディアからネットに移行したタイミングなど、「Chikirinの日記」の発展が時代とマッチしたことを理由の一つに挙げています。

そんな運の要素も強いブログ運営に関して我々がすべきことを最後に引用して締めたいと思います。

結局のところコンテンツ製作者にできることは、そんなものに振り回されることなく、自分の書きたいことを書き続ける、ということしかないのです。

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