南アジアを中心に活躍されている写真家、三井昌志さんの『秋の帰国報告会&写真教室ステップアップ編』に参加してきました。
正直今の自分にはお安いとは言えない参加費だったので、清水の舞台から飛び降りる覚悟でえいやっ!と申込したのですが、知らなかったこと、知りたかったことなどを多数知ることができたばかりか、自分の拙い作品を丁寧に講評していただいて、結果として大満足な講演会・勉強会でした。
ここでは自分の備忘もかねて、簡単に講演会・勉強会の内容をネタバレしない範囲でまとめます。
写真家三井昌志さんとは
まずそもそも三井さんってどんな人?と知らない人のために簡単にまとめます。というか公式ウェブから引用します。
アジアの辺境を旅しながら「笑顔」と「働く人」をテーマに写真を撮り続けている写真家。2019年には7度目のインド一周バイク旅を敢行。出版した著作は「渋イケメンの世界」(雷鳥社)など9冊。日経ナショジオ写真賞2018グランプリ受賞。
たびそらより
恥ずかしながら自分は元々三井さんのことを詳しく知っていなかったんですけど、ちょこちょこツイッターのタイムラインに三井さんのツイートが流れてきていて、「インドのおっさんって確かに渋いけどこんなに渋く、そしてカッコよく撮る人がいるのか…」と思ったのが、たぶん最初の印象です(気づいていないだけでもっと前から作品はお見掛けしていたと思いますが)。
ツイッターのタイムラインってフォローしている人によって全然違うものになりますよね?で、自分はキラキラした世界一周旅行者!というより自分なりの信念や追求したいものがあって海外を旅行しているような人たちをよくフォローしているのでそういう人のツイートがよく流れてくるわけですよ。
それで三井さんに興味を持ってプロフィールを見てみると、神大工学部を出て機械メーカーでエンジニアをしていたんだけど2年で辞めてユーラシア一周旅行に出てしまったという。
ここでいう神大って神奈川大じゃなくて神戸大学ですよ。
言ってしまえばゴリゴリのエリート街道を行っていたのに突然会社を辞めて旅に出て、それから写真家になってしまうという経歴にすごく心を揺さぶられました(そういえば身近にも同じような経歴の写真家がいますね)。
神戸大学って我らが母校一橋大学、大阪商科大学とならぶ三商大の一角ですし、僭越ながら自分に近しいものを感じたわけです。自分は写真家を目指しているわけじゃないし、目指したところでなれるとも思わないけど、三井さんの生き方ってこれからの生き方を模索中の自分にとってある意味一つの理想形なわけです。
そんな興味もあって先日の銀座での写真展にお邪魔し、
ソニーイメージングギャラリー銀座で11/07まで開催中の三井昌志さん(@MitsuiMasashi)の写真展『渋イケメンの旅』へ。三井さんの渋イケメンシリーズ好きなのでたんまり堪能できて良き。そこでしか見られない動画も公開していて楽しめました。三井さんも在廊されていたので少しお話できて良かった。 pic.twitter.com/KTAZxPtSYs
— 三矢英人 (@hideto328) October 29, 2019
そして新刊を購入し、サインを頂く。渋イケメンの写真まで付いてきて非常にお得な気分だ。写真展自体は無料なので近くに行った際はぜひ覗いてみてください。 pic.twitter.com/x8YaPtCy26
— 三矢英人 (@hideto328) October 29, 2019
最新刊を購入し、読んでいたわけですけど、旅のスタンスが結構近いのかな、と思うところもあってより興味が増したわけなのです。
と、いうことで前置きが長くなりましたが、本日行ってきたのでありました。
「ラダックとインドを語り尽くす2時間」
講演会・勉強会は渋谷のモンベルで行われました。
最初のパートは「秋の帰国報告会」と題したこの夏行かれたというラダック・ザンスカール・スピティを中心とした報告会でした。
ラダック・ザンスカール・スピティ
ラダック・ザンスカール・スピティは自分ももう何年も世界で行きたい場所の上位に位置していて、実際前回のインド渡航の際も狙っていた場所ではありました。
ただ、高度が高く長い冬には雪で陸路が閉ざされるという場所柄、陸路移動にこだわっていた自分はタイミングが悪くいくことができなかったんですね。
そんなラダックの素晴らしい写真を見せつけられちゃったからもう大変。インド行きたい欲が絶賛爆発中です。
特に、ラダックの話の最後に、インフラの改善によってこれまでのラダックは近い将来失われる、という話は自分に危機感を持たせるには十分すぎました。
ここは本当に早いうちに行かなければいけないなーと。
あと、インド北部はチベット仏教とが多いのですが、僧侶の、
「心が平穏だから、何も心配がない」
という言葉や、
「世界から最も孤絶した場所だからこそ、この世界のことを知らなければならない」
という言葉はすごく重みがあるな、と。
ISに勧誘された青年の話とか、場所柄考えさせられる話も多くて勉強になりました。
渋イケメンとか自分メディアとかツイッターとか
講演会後半は「渋イケメン」の話や、写真家として食べていく話、「自分のメディア」を持つことの強み、バズる写真の特徴、ツイッター攻略法、など話の内容は多岐にわたりました。
最近よく言われていることでもありますが、SNSの運用と、アーカイブとしてのブログ運営の重要さを再確認した次第です(ということもあって今久しぶりにキーボードを叩いております)。
今は実力さえあれば業界の権威に認められなくても生きていける、というのはまさにその通りで、そのためのツールが非常に充実しているからこそ、もっと積極的に活用して自分の価値を高めていきたいなと思いました。まあまずその前に自分にどんな価値があるのか、どんな価値を持ちたいのかを考えるところからな気もするけど。
バズる写真の例
おまけ?に紹介されていたバズる写真の例です。ネタバレになるからバズる写真のエッセンスは内緒。講演会か本人から直接聞いてください。
ミャンマー第二の街マンダレーにある精肉所。おびただしい数の骨の中で、男が斧を使って牛の骨を砕いていた。取り出した骨髄と脂肪を大きな鍋で煮て、ソーセージや石鹸に加工するという。骨の山のてっぺんには犬が三匹いて、骨の残りをガツガツと食べていた。なかなかワイルドな光景だ。 pic.twitter.com/19s7Nxpd0Y
— 三井昌志@渋イケメンの旅 (@MitsuiMasashi) August 20, 2018
ミャンマーの町中を走る犬がかわいすぎ。自転車の横に座席をつけた乗り物「サイカー」に乗せられたわんこが、大量の竹かごと共に移動中。移り行く景色を興味深そうに眺めていた。 pic.twitter.com/Byf0kBd2hG
— 三井昌志@渋イケメンの旅 (@MitsuiMasashi) November 29, 2018
「電子情報科・川浪」と胸に刺繍された制服が、一体どのような経緯をたどってバングラデシュに住むチャイ屋の主人が着ることになったのか。なかなか興味深いです。 pic.twitter.com/DN3QdwSbcT
— 三井昌志@渋イケメンの旅 (@MitsuiMasashi) December 21, 2016
「好きを仕事にする」ために
この最初の帰国報告会の最後のパートでは「好きを仕事にする」ためにという話があったんですが、やっぱり大事なのは自分の「売り」を持つっていうことなんですよね。
そしてそのために大切なのが、誰からも評価されなくても自分がやりたいことをやり抜く勇気を持つこと。
これは自分の胸に強く刺さりました。
別に「好きを仕事にする」ために旅行していたわけじゃないけど、世界一周すると言って日本を飛び出しつつも結果半周もしないで帰ってきた私ですが、自分がやりたいことをやりたいようにやりたいだけやったなって言うのはあるんですよね。
もちろん新大陸は見たいし、今まで行った大陸、国、都市でもまだまだ行きたい場所、もう一度行きたい場所はたくさんある。それでも、この5年5か月の旅行は誰かから評価されるためにやっていたわけではなくて、自分の好奇心に忠実にやり抜いた、という思いはあるわけです。
それは、決して仕事に役立たなくてもいいし、仕事どころか何の役に立たなくてもいいわけです。だって自分はそれが見たかったし知りたかったしやりたかったんだから。
それを間接的にではあれ、肯定してもらえたというのは個人的にすごく嬉しかった出来事でした。
写真教室ステップアップ編第1部
写真教室は2部制になっていて第1部が「構図の作り方」、「光を生かす方法」、「人の笑顔を引き出す方法」、「感性の鍛え方」などの撮影時の話、第2部がRAW現像について、ということで非常に実践的な内容でした。
ミラーレスすげー
第1部最初は機材や設定の話。自分はニコンのD600というフルサイズ一眼レフを使っていて、機材にはそこまで不満はないし、ミラーレスってちょっとなーと思っていたんですけど、時代はミラーレスだな、と思わされるに十分な話でした。
↓私が使っているカメラ・レンズについてはこちら↓
特に、三井さんが渋イケメンたちを撮っている様子をGoProを使いながら撮影した動画があったのですが、ミラーレス一眼の利点を最大限活用していて、私が撮りたい物を撮るためにミラーレス一眼を買うというのは選択肢の一つとして真剣に検討しなければいけないな、と初めてミラーレス一眼を買うことを考えるきっかけになりました。
いや、買うならソニーのαじゃなくてニコンのℤだよ。ℤだよ!!
特にポートレートを撮るうえでの顔認証・瞳AF、AFエリアの広さ、手振れ補正の強力さ、などは、構図やシャッターチャンスという写真で重要なものに集中するうえで大きな武器になることがわかりました。
写真のバックアップについて
これはすごく嬉しかったことなのですが、参加する前に事前に質問事項を送るというのがあって、私は現地での写真のバックアップについて質問していたんですね。
外付けHDD、クラウドなどを併用していると思いますが、インド、アフリカなどネットが遅い国・地域ではクラウドにすべての写真をアップロードするのが困難な上、盗難などのリスクが高まりますのでどのように管理しているのか伺いたいです。
それを最後のQ&Aじゃなくて本編で説明してもらえたのは嬉しかったです。
内容としてはやはりインド、特に辺境だとネット速度が遅いことに加え、写真の容量が大きいのとで現地でのバックアップにクラウドは使っていないということで、外付けHDDとSSDの併用とのことでした。
↓実際使われているという外付けHDDとSSD
ここで驚いたのが外付けSSDの小ささよ!!!
今回紹介されたHDDとSSDを比較すると、
商品名 | サイズ | 重量 |
---|---|---|
Transcend StoreJet2.5 4TB | 13.2 x 8.1 x 1.9 cm | 295 g |
SanDisk Extreme Portable 1TB | 9.6 x 5 x 0.9 cm | 40.8 g |
もちろん容量が違うので単純に比較はできないんだけど、サイズは縦横は3割くらい、厚さは半分小さいうえに注目すべきはその重さですよね。
1/7!!!
私は前回の旅行中、仕事で過去の写真を使うことがあったので全部の写真を持ち歩いていたのですが2TBの外付けHDD5個とか持ち歩いていたのでそれだけでけっこうな重量になるわけですよ。まだまだHDDと比べて値段は高いとはいえ、昔と比べて十分安くなってきているし、この携帯性に加えてスピードの速さ、耐久性の高さはこれからの長期旅行者は外付けSSDで決まりなんじゃないかと思わされましたね。
シャッターチャンスを逃さない撮影法
ここでは具体的な設定について説明されたのでネタバレにならないように割愛。
ただここでもミラーレス一眼の優位性について強調されていました。
構図について
この後の第2部の講評でも構図については口を酸っぱく言われていましたが、具体的な撮影例とともに構図の解説をしていただいたのですごく説得力・納得力のあるパートでした。
実際この第1部で一番時間を割かれていたパートなだけあって構図の重要性をこれまで以上に強く意識するようになりました。
ネタバレにならない範囲でキーワードだけ。
- 主役と脇役
- 引き算と足し算
- 調和
- 気持ちよさ
特に最後の「気持ちよさ」について、
「良い構図」だから「心に響く」のではなくて、「心に響く」写真が「良い構図」だという話はおもしろかったです。
ここで言われていたのは、何百枚も何千枚も撮った中から「気持ちいい」写真を選んであとからなんでそれをいいと思ったのかを分析したらたまたま(?)セオリーに当てはまっていたみたいな話がありました。
だからセオリーありき、構図ありきで撮るのではなくてとにかくたくさん写真を撮ってそのなかから自分が「気持ちいいい」写真を選んでくるとそこには何らかの理由があるんだと。
だから自分の「気持ちよさ」を信じて、内なる声に耳を澄ませて写真を撮りまくろう、という話でした。
光について
ここでは基本的な光、「順光」「逆光」「サイド光」「室内光」についての考え方や注意点を説明してもらいました。
ここで特に印象的だったのは、常に太陽の位置と影の方向を意識しながら街歩きをしているということ。
やはりこのような日常に落とし込まれた所作が心を打つ写真を撮らせるのだなと思った次第です。
表情について
ここではどのようにコミュニケーションをとって写真を撮られているのかという話について。
場に馴染む、馴染まない。周りの人を味方につける、など撮影のシチュエーションによっていろいろ使い分けていることがわかりました。自分は味のあるポートレートを撮りたいと思いつつも、現地の人とコミュニケーションをとりながら撮影するのが苦手なので考え方とかテクニックとか非常に勉強になりました。
「ナスを撮る」なんて、よくよく考えたら無自覚ながら自分でも実践していることもあって面白かった。
写真教室ステップアップ編第2部
第2部ではRAW現像の仕方と受講者が事前に送った写真に対する講評が行われました。
RAW現像について
私自身写真をちょっと勉強するようになってから、自分の心象風景を、自分が感じたように表現していいんだ、と感じるようになったのですが、同じような話がまずされました。
写真撮影は撮影7割、現像3割や、撮影5割、現像5割など写真家によって現像の重みは異なりますが撮影後の処理も重要な要素である、と断言されていました。
RAW現像は邪道ではなく必要なことだ、と。
まあデジカメの処理をちょろっとかじればわかることですが「#無加工」といってもそれはカメラやスマホが勝手に加工しているわけであってありのままの姿をデジタルで残すことは難しいんですよね。だから逆に自分好みの色を作ってもいいしそれがRAW現像なのかなと。
ここでは実際に10枚近い写真を現像する過程を見せていただいてプロがどのような手順で、どのようなことを考えて現像しているのか、ということが知れて非常に勉強になりました。
というか、ぶっちゃけこれが目的で今回の勉強会に参加したんです私は。
現像の手順や手法はそれこそ秘伝のレシピなわけでネタバレの極みなわけなのでここでは公開しませんが、これが見れただけでも十分清水の舞台から飛び降りた価値があったなと思いました。
これまで自分も独学で調べながら、Lightroomで下手なりにいろいろいじって現像してはいましたが、ネット上の記事を読みながら現像するのと、プロが実際に現像するのを目の前で見るのは雲泥の差でしたね。これぞ百聞は一見に如かずだと。
特に自分が使いこなしたいけど使いこなせていないトーンカーブ、HSL、段階フィルター、円形フィルターの使い方は目から鱗がポロポロ落ちました。
いやもう早く写真を現像したくてたまらない。
写真の講評
第2部後半は参加者が事前に送っていた写真についての講評で、正直メチャクチャドキドキしていました。
だって普段SNSやブログに写真を載せていると、友達やフォロワーさんから「上手いね」とか「綺麗だね」と言われたりたくさん「いいね」を貰えることはあっても、「お前の写真はここがだめだ」なんて言われないじゃないですか。
でも自分はもっと写真上手くなりたいし、もっといい写真が撮りたいのでその心地いいところにいて天狗になっていてはいけないと思っていたんですよ、真面目に。
そんな中ナショジオから賞を貰っている人に写真を見ていただいてコメントを貰える機会ってまずないですよね?
と、これは非常にチャンスだったのです。どんなにボロ雑巾のように扱われようがこれは自分の写真を飛躍させるためにはめちゃくちゃチャンスだったわけですよ。
ここでは非常に恥ずかしながら自分が講評用に提出した写真といただいたコメントを紹介したいと思います。
自分では気に入っている写真ばかりだけど、講評された後に見返すと至らぬ点ばかりでマジで超すげー恥ずかしい笑
ジャイサルメールの市場の女性
「手前のジャガイモが大きすぎて、見る人の視線がそこに行ってしまう。」
いやこれね、これでも一応主役の女性に視線が行くようにスポットライト効果狙って右上と右下は段階フィルターかけて露出いじってるんですよ。
それがまさかジャガイモに負けるとは笑
「人は大きくて明るいものに目を奪われるので手前のジャガイモは邪魔。広角レンズで赤いサリーの女性と手に持つ野菜の緑を対比させるならもっと近づいて撮るなり横構図で撮った方がいい。」
手前のジャガイモももっとボケさせてれば印象変わったのかもしれませんね。
トクトグル湖
この写真、現在(2019年11月25日時点で)ツイッターのカバー写真にしているくらい個人的に好きな写真なのですが、講評される前にこの写真の概要を説明されている時点で自分悟りました。「あ、ここ突っ込まれるわ」と。
トクトグル湖の写真と言いつつも湖ほとんど写ってないやん!と笑
案の定突っ込まれましたがそれはそれとして、ここは自分の中ではすごく桃源郷のように見えた光景でしたが、
「もっと構図を工夫して、湖を撮りたいなら近づいて、湖・草原・空の対比を、草原を撮るなら例えば右手前の干し草に近づいて干し草と雲の対比を撮るなどもっと構図を工夫する方がいい。」
と言われました。
ソト族の男
写真家ってやっぱりすごいなと思うと同時に、わかる人の目は欺けないなと思い知らされたのがこの写真ですね。
これ、レソトのサニトップで出会った伝統民族衣装バソトブランケットを身に纏ったソト族の男性なのですが、逆光で潰れているのを無理やり補正ブラシで修正しているんですよね。
写真がプロジェクターに映し出された時は「おおー!」っとちょっとどよめきが起こったんですよ!これでも!!
でもプロの目から見たら一発で、
「シャドウの持ち上げ方が不自然」
だと喝破されました笑
いや、わかっていたんだ自分でも笑
構図自体はいいと褒められたのですがやっぱりダメなものはダメですね。
以前ツイッターで、フォローしている写真家の塙さんが失敗写真をいくらレタッチしたところで失敗写真をレタッチした写真にしかならないとツイートされていましたがまさにそんな事例だなと深く反省した次第。
レタッチ教室をやって欲しいっていうリクエストもよくもらうけど、レタッチって撮影の後の話だよね。ちゃんと撮った写真を最後の味付けでレタッチする。失敗写真もレタッチでなんとかなると思う?ならないよ。失敗した写真をレタッチでごまかした写真にしかならないw
— 塙真一(HANAWA SHINICHI) (@S_HANAWA) April 8, 2015
ここではもっと男性の右側に回り込んで逆光を減らす工夫が欲しかったとのアドバイスをいただきました。
ホルヴィラップ修道院でのミサ
アルメニアのホルヴィラップ修道院を訪れた時に遭遇したミサで右から差し込む光が美しくて撮った写真ですが、
「手前の信者の頭が邪魔」
だと言われました笑
自分も手前真ん中の信者は特に頭が白飛びしていて目立つので何とかしたいと思っていたのですが、その人だけじゃなくその左の男性も含めて、この写真ではいない方がいいとのことでした。
解決策として状況が許せばですが、自分がもっと被写体に近づく、カメラを上にあげて信者が写らないようにするなどのアドバイスをいただきました。
アルメニアはホルヴィラップ修道院でたまたまミサに鉢合わせました。窓から差し込む光があまりに美しかった。ホルヴィラップ修道院自体、アララト山を背後に臨む抜群のロケーションでおすすめのスポットです。 #アルメニア pic.twitter.com/sg66rWmpjD
— 三矢英人 (@hideto328) November 23, 2019
ツイッターでドヤ顔で載せてた自分を消してしましたい…(それでも40RT150FAVはあるのですが)。
講評を受けて
自分の中のお気に入り写真をダメだしされるのは思っていた以上に辛いものがありましたが、自分で気づいていたことも気づいていなかったことも的確に指摘してもらえる機会ってなかなかないのでそれだけでも非常にありがたいものだなと感じました。
第1部でも三井さんが口を酸っぱく構図の重要性を説かれていましたが、実際に実例を見ながらその話を聞いた後で自分の写真を見ると至らない点しかなくて消えたくなりました。
でもそうやって指摘してもらえなかったら同じような写真を量産していたわけで、今回の勉強会は本当に自分にとって勉強になったし、何のために写真を撮っているのか、何を表現したいのかを改めて考えるいい機会になりました。
他の参加者の写真もすごく印象的な写真が多く、それに対するコメント、良いところ、悪いところ、改善点などとにかくめちゃくちゃ勉強になりました。
フォロワーさんのこの写真なんかメチャクチャ美しいですよね。
渋イケメンの写真で有名な
三井昌志さんの写真教室で渋谷
構図と被写体との関係性を引き出すという要素が
僕はまだまだ
偶然や光の美しさにシャッターを押したというレベルでしかない
構図の狙いや被写体の魅力を引き出す力ってのが
すごい差だなと実感するとともに
僕が撮った写真も講評してもらった pic.twitter.com/vXR8Qly0l4— 岩﨑大 帰国しました (@maningway) November 24, 2019
報告会・勉強会に参加して
プロのプロたるゆえんをまざまざと見せつけられた勉強会でした。
当たり前だけど、何気なく観光地に行って、何気なく面白いものを見つけて、何気なく写真を撮る、というのとプロセスが全然違うんですよね。
構図に対するこだわり、被写体とのコミュニケーション……etc.
もっとも、自分は写真を撮ることが仕事なわけじゃないし、仕事にしようと思っているわけではありません。写真は海外旅行を楽しみ、後から思い返すのに必要なツールの一つなわけだけど、神は細部に宿るというように、何気なく見える写真の一枚一枚に途轍もない拘りがある、ということが分かったし、だからこそ多くの人の心を打つ写真が撮れるんだな、という気付きを得ることができたのは非常に勉強になりました。
ここでちょろっと宣伝
最後に、今回非常にいい機会を与えていただいたので三井さんに代わって?宣伝します。
名古屋と大阪での報告会・写真教室
今回私が参加したのと同じ報告会・写真教室が名古屋と大阪で開かれます。
※まだ空きがあるかはちょっとわからないので直接お問い合わせください
三井さんの著書
三井さんが使っている機材
まとめ:今回の勉強会に参加して
今回勉強会に参加するまでは、参加費結構高いし大丈夫かな?とか、自分の写真が大勢の前でぼろくそに言われるの恥ずかしいなwとか思っていたのですが、一歩踏み出してみて初めて見える景色、わかることがあるな、と感じました。
特に今回ブログではあえて書きませんでしたが、RAW現像の流れとか基本の設定とかはもう今日すぐに使える内容でしたし、早く現像したくてたまらないって感じになりました。
また、今回講評用に送った写真は自分の中で特に印象的な写真の中から選んで送ったわけですが、自分もこの5年以上に渡る旅行の中で10TB以上の写真を撮ってきたわけで、記憶の中には残っていないけど実はメチャクチャいい写真がたくさん埋もれているような気がしてならないわけなんですよね。
それを発掘して、現像してって言うのは帰国してから実際やろうやろうと思いつつもそのあまりの写真の多さから目を背けていたことなんですが、これはぜひともやらねばならないと再確認するきっかけにもなりした。
そういった、技術的なことだけでなく考え方、心の在り方についても学ぶことができた今回の報告会・勉強会は非常に参加した価値があったなと思います。
おまけ:カメラ超初心者にお勧めの本
カメラ、特に一眼レフ、ミラーレス一眼を始めてみたけど難しそう!という人には鉄道写真家の中井精也さんの著書がおすすめです。
私はこの3冊をザーッと読みましたが、今回の勉強会でもあった、自分好みの色を作るということの大切さ、デジタル写真とは自分の心象風景を映す鏡だと教えてくれた本でもあります。
だから実際に見える景色を忠実に再現するのではなく、自分にはこう見えた、こう感じたという風に撮っていい、現像していいんだと教えてくれました。
また、「何をどう撮る」という今回の勉強会の「何を伝えたいのか?」についても触れられていて非常に勉強になります。
写真を勉強する第一歩として簡単で分かりやすい本が知りたい!という人にお勧めです。
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