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嗚呼、シベリア鉄道

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朝一度8時頃目覚めたが外はかなり暗いようだ。そのまま一時間以上惰眠を貪る。
ウラジオストクと日本の時差は+2、これがそもそもおかしいようだ。だって明石より西にあるんだもん。だから日の出も日没も日本より遅い。面白い国だな、と思う。

結局9時半頃起床する。
今日はウスリースクまで移動しなくてはならない。
露中国境に程近い町ウスリースクはウラジオストクから北へ約100km。シベリア鉄道も通過する町だ。たった100kmとは言え是非ともシベリア鉄道に乗りたい。これが今旅たった3日しかいないロシアのハイライトだ。

ホステルのフロントで尋ねてみると朝7:30に一本あるがそれ以外はわからないと言う。駅まで行って聞いてみてくれと。
ダメならウラジオストクの北にあるバスターミナルからバスが出ているからそれに乗ればいい、と。

わずかでもシベリア鉄道に乗れる可能性があるなら、とウラジオストク駅へ向かう。
ウスリースクへの電車は7:30と17:00があると言う。

良かった。

俺はその場で切符を購入した。120ルーブル、たったの360円で夢が叶うのだ。

シベリア鉄道の切符を無事入手した俺は昨日に引き続きウラジオストク観光を始めた。

金角湾にかかる黄金橋を歩いて渡り、戻ってきてからふたたび鷲ノ巣展望台に登った。

昨日登った時は夕暮れ時だったが今日は朝日を浴びて煌めく金角湾が見えた。

港町っていいな、ベタだけどそう思う。
日本だってそう。横浜や神戸、長崎など名だたる港町は何か輝いてる。
外の世界への希望が満ちている気がする。

宿で会った日本人、じゅんぺい君は今日の昼頃、帰国するため空港に向かうと言っていた。
ここで会えたのも何かの縁、お見送りしようと思ってホステルまで戻ったが既に出たあとだった。残念。

俺のベッドにメッセージが残してある。
嬉しいね。憎いことのできる青年だった。

お昼は「歩き方」に載ってるレストランの中からフェリーで会ったロシア人に安くて美味しいとおすすめしてもらった大衆食堂で食べた。
ロシア料理の代表格、ビーフストロガノフとビーツのサラダ。
肉はレバーだったが、日本人の口にあう優しい味付けで美味しかった。
そして安い。

昨日何かの儀式中で写真を撮るのが憚られたアンドレイ教会で写真を撮り、ポクロフスキー聖堂まで歩いた。
ポクロフスキー聖堂は玉ねぎ型のドームが特徴的な日本人がイメージするザ・ロシア聖教の教会で博物館より何よりも見てみたかった。

ポクロフスキー聖堂は異教徒は立ち入り禁止だったけど、その隣の小さな教会は入れてくれて写真も撮らせてくれた。

昨日も感じたけどロシアは想像以上のキリスト教国だ。
次々に信者が現れてイコンに口づけをしていく。
その所作が洗練されていて、ずっと見とれていた。

教会を出ると一路北を目指した。アムール湾を拝みに。
冬だからと言うのもあるけど浜辺は寂れていた。
こんな冬に海で泳いでいる中年夫婦が一組、信じられない。

そこから西に歩いてアウセーニエフの家に行った。
いくつかある博物館のなかで観光できる残りの時間と自分の興味を照らし合わせたとき、そこかなと思った。
アウセーニエフはロシアの探検家で、なんと黒澤明がアウセーニエフを題材にした映画を撮っている。
家には探検に使った道具や家財道具が展示されていた。

16時30分、ホステルに戻り荷物をピックアップ。
憧れのシベリア鉄道起点、ウラジオストク駅を目指す。
この時ばかりは希望で思いザックも苦にならなかった。

出発20分前に駅へ到着。
駅の電工掲示板はキリル文字で全然読めなかったので、待合室にいた一般市民に聞いたらどうやらプラットホーム1番から発車するらしい。
プラットホーム1番、なんともお誂え向きじゃないか。

時間にも余裕があることだし、シベリア鉄道の起点、終着点である碑を写真に納め、いざ乗車しようとする。

乗せてくれない。

この電車ではない、と言われる。

!!?

もう、時間ほとんどないよ!
じゃあどの電車なんだ、と聞くもいまいち要領を得ない。
ある人はあの赤い電車だと言い、またある人は別の方向にいけと言う。

プラットホームが分からない。
次第に迫り来る発車時間、俺は聞いた、
「あの赤い電車と緑の電車とどっちなんだ?」

赤だ、と言う。
しかしそのホームへの階段はあるけど固く閉ざされている。

ええぃ、ままよ!

俺は線路に降りてそのプラットホームへ走った。
進行方向に人がいたら電車は発車できないだろう。
プラットホームをよじ登る。そこで駅員に声をかけられる。
お前はいったい何をしてるんだ、と。

俺はウスリースクに行きたい、いや行かなければならない。この電車がウスリースクへの電車だと聞いたが。

この電車じゃないよ、と。

俺は打ちひしがれた。
さっきのプラットホームに戻り、もう一度聞く、
どの電車なんだ!と。

すると駅員は無情なことを呟いた。

「あそこに発車した電車が見えるだろ?あれだよ。」

終わった、何もかも。
俺はほとんど泣きそうになりながらなんでもっと早く、しっかり教えてくれないんだと喚いた。

でももう終わったこと。
結局は俺がロシア語がわからないことだったり、電車までしっかり確認してないのに駅についたことで安心してしまったことが招いたことだ。
駅員に文句を言っても仕方がない。

もう一度来たいな、と思ったウラジオストクの最後の思い出がこれとはなんとも悲しいことだ。

しかしいつまでも打ちひしがれてもいられない。
俺は明日には中国に入国したいし、ウスリースクのホテルも取っている。
ホステルで聞いておいたバスターミナルを目指すことに。

駅前のバス停でどのバスに乗ればいいか聞く。
優しいおばちゃんが親切にバスに乗せてくれ運転手に言付けしてくれる。
バスの運転手はタダで乗り換えまで乗せてくれる。
18:15バスターミナル到着。

そのまま急いでバスチケットを購入。バスの時間は18:30。

ギリギリで間に合った…。

そのままバスは走り出す。

本来であれば電車から眺めたであろう車窓はバスになってしまったので悲しく映った。

ウスリースクに着いた。まずは翌朝のバスの時間を確認する。
キリル文字で書いてあってよくわからないが8時くらいから中国方面に何本か出ているようだ。

電車のチケットを無駄にしてしまったので歩いてホテルまで向かうことに。
ウスリースクの町は暗い。道が正しいのかどうなのかいまいちわからない。

しばらく歩いてみてもホテルらしきものは見当たらない。
まさか逆の方向に歩いてきてしまったのか!?

道行く人に聞いてみたらどうやら逆の方向らしい。
そして英語が話せるその人の彼女がちょうどやってきて案内してくれるとのこと。

道中「なんでこんな時期にロシアに来たのか?クレイジーじゃないか?」など聞かれながらなんとかホテルに到着。
ホテルまで送ってくれるなんてありがたい。

ウラジオストク駅でのマイナスイメージを補ってあまりあるロシア人の温かさ。
一人旅の醍醐味ですね。

ホテルでは食堂などはもう閉まってしまっていたのでホテル内のショップでビールと、食べ物を購入。
ロシアで一番質素で、そして高い夕食になってしまった。

わずか2日間の滞在ではあるが、ロシア、いい国だなぁ。
いずれじっくり回ってみたい。その時はウラジオストクからサンクトペテルブルクまで電車に乗って行こう。