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「働けば自由になれる」?:アウシュヴィッツ訪問記その2

ポーランド
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どうも三矢(@hideto328)です。アウシュヴィッツ訪問記その2です。ここからは私が実際に訪れた訪問記になります。

まだ第1回を読まれていない方はこちらからどうぞ。

アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制絶滅収容所とは:アウシュヴィッツ訪問記その1

アウシュヴィッツ強制収容所は冬に行くべし

アウシュヴィッツ・ビルケナウは恐らく一年のうちいつ訪れても、戦争の狂気をヒシヒシと感じさせる場所でしょう。

ですが、その過酷さをもっとも強く感じることができるのは冬の早朝です。

私はアウシュヴィッツ第一強制収容所とビルケナウ第二強制収容所をそれぞれ別の日に訪れました。

アウシュヴィッツに比べてビルケナウは展示物の類は少ないため、まずアウシュヴィッツにに行き、ここで何が行われたのかを学び、それからビルケナウに移動しその学んだことを追体験するのがいいと思います。

アウシュヴィッツ第一強制収容所に入所する

アウシュヴィッツ強制収容所があるオシフィエンチムへはクラクフからバス移動しました(14ズロティ)。バスはアウシュヴィッツ第一強制収容所の入口に停車するのでこれが一番簡単な行き方です。

アウシュヴィッツへ向かうバス

バス停から建物の方に歩いていきます。途中にはこの悲しい歴史に関する様々な碑が建っています。

バス停からアウシュヴィッツへ向かう道

この建物が入口です。中にはショップ、トイレなども入っていました。ガイドツアーを頼まない方はパンフレットだけでも買っておきましょう。マストバイです。

アウシュヴィッツ強制収容所入り口

なぜかよくわからないけど無料で入れました。

アウシュヴィッツ強制収容所チケット

アウシュヴィッツのガイドツアーについて

ガイドツアーは有料で、夏季はガイド基本的に必須(早朝、閉館間際など時間によって無料開放)、冬季はオプションとなっています。英語ガイドは多数いるため英語ガイドでよければ予約は不要。

中谷剛さんという日本人ガイドが一人いらっしゃいます。日本語ガイドは一人だけなので事前予約推奨とのこと。

ガイドツアーは周る展示が限られているので全ての展示を見たい場合は別途自分で周る必要があります。ガイドツアーで周らない展示も非常に興味深いのでぜひ全部の展示を周って見て欲しいと思います。

冬季であればガイドを付けなくてもいいので、市販のパンフレットを使ってのセルフツアーで自分のペースでじっくり周るのも良いでしょう。僕は自分のペースで周るのが好きなのでパンフレットを購入しました(5ズロティ≒150円)。

中は同じような形の建物がずらりと並んでおり、そのほとんどが何かしらの展示となっています。主要な展示以外にも興味深い展示が多いので、十分時間を持って行かれることをオススメします。

アウシュヴィッツ強制収容所配置図

有名な門をくぐります。

アウシュヴィッツ強制収容所「働けば自由になる」と書かれた門

この門は「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)」と書かれています。よく「ARBEIT」の「B」が逆さまになっていてSS(親衛隊)の欺瞞に対する作者の抵抗だとか言われますが、この字体は当時の流行でもあったようで、真相はよくわかりません。

ただ一つ分かっているのは、「働けば自由になる」という言葉の虚しさだけです。実際生きてここを出られた人は10人に1人もいなかったとか。

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アウシュヴィッツ強制収容所内の博物館の展示物

門をくぐってまっすぐ行ったところに一番中心となる博物館があります。ここでは被収容者から没収された物などが展示されていました。

他の被収容者棟は当時の様子を再現したものや、ここに収容された被収容者の出身国別の展示などがありました。

アウシュヴィッツ強制収容所内の中心となる博物館

中には被収容者から没収された様々なものが並んでいました。その量の多さに吐き気がしました

例えば、靴とか、

アウシュヴィッツ強制収容所被収容者から没収した靴

義足、

アウシュヴィッツ強制収容所被収容者から没収した義足

眼鏡や、

アウシュヴィッツ強制収容所被収容者から没収した眼鏡

鞄など。鞄に名前が書かれているのは、没収するときに被収容者を後で返すといって安心させるためだとか。

アウシュヴィッツ強制収容所被収容者から没収した鞄

この他、被収容者から刈り取った髪の毛が展示されている部屋もありました(その部屋は撮影禁止)。刈り取った髪の毛は布として加工され販売されたそうです。加工され髪の毛で作られた布も展示してありました。

霊感の強い人ならば倒れてしまうのではないかと言うくらい、強い負のオーラを感じました(僕は霊的なものに関してはパッパラパーですがそれでもそう感じました)。

被収容者は私物を全て没収されたため、彼らの唯一の所持品はこの囚人服だけでした。左胸にワッペンが縫い付けられていますが、被収容者のアイデンティティ(ユダヤ人なのかロマなのかなど)によってここにかかれるエンブレムが異なっています。

アウシュヴィッツ強制収容所の囚人服

私が一番衝撃を受けた展示品の一つがこの当時の食事の再現モデルです。いかにも一食分な分量ですが、これが一日分の食事です。

黒い液体がコーヒーと呼ばれたもので、左のスープは腐った野菜などで作られたもの。それにひとかけらのパンとマーガリン。これで過酷な強制労働に耐えられるはずがありません。

アウシュヴィッツ強制収容所で被収容者に出された一日分の食事

被収容者を大量殺害したガス室に関する展示

展示の中にはガス室に関する展示もありました。これがガス室全体の模型です。

アウシュヴィッツ強制収容所のガス室の模型

「選別」された被収容者はシャワーを浴びると言われてガス室に連れていかれ、階段を下りたこのエリアで服を脱がされました。

アウシュヴィッツ強制収容所ガス室の模型2

そして次の部屋で毒ガスの餌食となったのです。被収容者から疑念を抱かれないようにガス室にはシャワーヘッドもつけられていたそうです。

アウシュヴィッツ強制収容所ガス室の模型3

アウシュヴィッツ第一強制収容所には復元されたガス室(クレマトリウム1)があります。

復元されたアウシュヴィッツ強制収容所ガス室(クレマトリウム1)

内部が見学できるようになっています。ここで多くの人が命を失いました。

復元されたアウシュヴィッツ強制収容所ガス室内部の様子

死体は併設されている焼却炉で燃やされ、骨は砕かれて近くの川に捨てられたとのことです。

復元されたアウシュヴィッツ強制収容所ガス室の焼却炉

これが大量虐殺に使われた毒ガス、チクロンBの空き缶。

アウシュヴィッツ強制収容所で使われた毒ガス「チクロンB」の空き缶

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アウシュヴィッツ強制収容所内のその他の展示

展示は相当な量があったので、ここではその中から特に興味深かった展示物を紹介します。

銃殺が行われた「死の壁」

人体実験が行われたとされる10号棟と11号棟との間には銃殺刑が行われた通称「死の壁」があります。この壁の両サイドの収容棟の窓は銃殺が見えないように木で塞がれていました。

アウシュヴィッツ強制収容所で銃殺刑が行われた「死の壁」

ヘスの絞首台

復元されたクレマトリウム1(ガス室)の近くには初代所長ルドルフ・フェルディナント・ヘスが処刑された絞首刑台がひっそりと佇んでいました。

アウシュヴィッツ強制収容所初代所長ルドルフ・フェルディナント・ヘスの絞首刑台 アウシュヴィッツ強制収容所初代所長ルドルフ・フェルディナント・ヘスの絞首刑台に近づいたところ

こちらも絞首刑台です。第一強制収容所の中心にあり見せしめのためにここで処刑されたのだとか。

アウシュヴィッツ強制収容所内の被収容者のための絞首刑台

我々はまだアウシュヴィッツの本当の恐ろしさを知らない

今回アウシュヴィッツ第一強制収容所の主要な展示を紹介しました。しかし、私がこの場所の本当の恐ろしさ、壮絶さを感じたのは第二強制収容所ビルケナウだったのです.

アウシュヴィッツ第一強制収容所はまだ序章に過ぎなかったのです。

続きはこちら。

アウシュヴィッツの壮絶さを体感するならば冬の早朝訪れるべし:アウシュヴィッツ訪問記その3

本文で紹介した唯一の日本人ガイド中谷さんの著書です。

ポーランド
三矢英人

バックパッカー/トラベルライター/チェコ親善アンバサダー2018/米国公認会計士(USCPA-Inactive)

1986年神奈川県生まれ。「行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、飲みたい酒を飲む」をモットーに2013年11月から2019年4月まで無帰国長期旅行していました。

≫詳しい自己紹介はこちら

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