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巡礼者の1日のスケジュールはこんな感じ―スペイン巡礼の基礎知識

巡礼道 スペイン
この記事は約11分で読めます。
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サンティアゴ巡礼をしたい人のための基礎講座です。今回は巡礼者の一日の流れついて私のケースを中心に解説します

朝6時:起床

朝食

朝起きたらまずコーヒーを淹れて、寝ていた間のメールチェックやツイッターのタイムラインを確認しながらゆっくり準備をします。

一般的に5時半から6時くらいに起床する人が多いです。私の場合も大体6時を目安に起きていました。

起床時間はその日移動する予定の距離や天気(気温が高い日は暑くなる前に目的地に着くように早めに出発するなど)によって変わります。

夏のカスティーリャ・イ・レオン州は日中の気温が非常に高く、日差しも強いので、日の出前に出発する人が多くいました。中には3時くらいに起床して準備を始める人も。それはさすがにやりすぎだと思うのですがそれでも6時くらいには出発する人が多かったように思います。

私は基本的に朝食を食べないのでコーヒーだけ(日によっては追加で果物など)で済ましていましたが、多くの人はパンなどの朝食を摂っていました。アルベルゲ(巡礼宿)によっては朝食付きのところもあります(有料・無料どちらのケースもあり)。大体6時くらいから朝食が始まると思います。

予算に余裕のある人は歩き始めてから少し歩いた街のカフェなどで朝食をとる人もいました。

7時:出発

サン・ジャン・ピエ・ド・ポーを出発

アルベルゲは朝8時までに出発しなければならないと決められているところが多いので、どんなに遅くても7時半までには出発していました。

11時:休憩

出張茶店で休憩

休憩をとる頻度やペースは巡礼者毎によってことなりますが、私の場合はだいたい距離にして20km歩いたあたりの適度な街でその日最初の休憩をとるようにしていました。

私はいつも一杯のビール休憩を30分程度。たまに気まぐれでカフェ・コン・レチェ(ミルクコーヒー)など。どちらも大体€1~1.5くらいです。

休憩や昼食で利用した食堂などではクレデンシャル(巡礼手帳)にスタンプをもらいましょう。

このスタンプを毎日数個ずつためていくことが、ずるすることなくちゃんと歩いた(もしくは自転車をこいだ)ことの証明になります。

その日歩く距離や天気・気温などで多少は変わってきますが、1週間も歩いていれば自分に合ったリズムができてくると思います。

私の場合は時速5km×4時間で20kmくらいでした。当然休憩できるカフェなどがある街と街の間の距離はまちまちなので、地図などで事前にめどをつけておくことをおすすめします。

11時半:再出発

巡礼道

休憩が終わったら再び歩き始めます。私の場合はだいたい追加で10~15km(2~3時間)歩いてその日の目的の街へ。

20kmくらい追加で歩くときは2時間くらいのところで2回目の休憩を挟むこともありましたが大体休憩1回で目的の町まで行っていました。

2回目の休憩をとるかどうかはその日の疲れ具合で決めます。

13時30分~16時00分:アルベルゲにチェックイン

エスピナリのアルベルゲ

アルベルゲ(巡礼宿)はチェックイン開始時間が決まっており、だいたい14時からになっています(アルベルゲによっては12時や13時からなどもっと早くチェックインできる場合もあり)。

アルベルゲごとのチェックイン時間は下記地図や巡礼事務所でもらえるアルベルゲ一覧などで確認できます。

そのため、14時過ぎに到着するように目的のアルベルゲや街を決めていくことになります。歩くペースが予定より早ければ途中の町で長めの休憩をとったり、予定より先の町まで歩く決断を下したりします。

到着時間には注意が必要で、遅くとも16時には到着するような予定を組んだ方がいいでしょう。

スペイン巡礼中に泊まる街の多くは小さい街で、宿泊者のキャパシティに限りがあります。目的の町に着いたもののアルベルゲが満室で泊れず次の町まで歩く羽目になるということは往々にして起こりえます。

実際、私が泊まっていたアルベルゲに夕方到着した巡礼者は、その町のどのアルベルゲも満室だったため次の町まで歩くことを余儀なくされていました。そして不幸にも、その町から次の町までは10km以上あったのです。

アルベルゲにチェックインする際はクレデンシャル(巡礼手帳)にスタンプを押してもらいます。代金はチェックイン時に払うところが多いですが、チップ制のところもあります。私はチップ制のところはチェックアウトして朝出るときに払うことが大半でした。

アルベルゲにチェックインして最初にすることは、シャワーを浴びることと洗濯です。この二つはみんなが真っ先にやりたがるので小さいアルベルゲなどでは混みあいます。

汗や汚れが気にならなければチェックイン直後の時間をあえてずらすことで空くこともありますが、洗濯物を乾かす時間が短くなるのでできれば先にシャワーを浴びてしまったほうがいいでしょう。

洗濯に関しては洗濯機を利用できるアルベルゲもないことはありませんが、だいたい有料なのでほとんどの巡礼者は自分で手洗いします。シャワーを浴びるついでに洗ってしまうことが多いですが、アルベルゲによっては洗い場があります。

洗った洗濯物はアルベルゲに備え付けられている洗濯物干し場に干します。夏のカスティーリャ・イ・レオン州なら1時間くらいで乾きます。

冬場や天気の悪い日で洗濯物が乾ききらなかった場合は、翌日洗濯ばさみなどでバックパックに括り付けて歩きます。

シャワーを浴びて洗濯をした後は、ストレッチをしたり、WiFiがあるアルベルゲならSNSを確認したりのんびりします。

17時くらいから19時(到着時間による):自由時間

ロンセスバジェスの大聖堂

アルベルゲに着いてからの雑事が終わったら自由時間です。

40キロ以上歩いた日は軽く昼寝をしたり、アルベルゲでのんびりしたり、バルでビールを飲んだりしていました。

夕食を自炊したりちょっとした買い出しもこの時間に行います。なぜならスペインにはシエスタというお昼休憩があり昼のあいだ2~3時間くらい多くのお店が閉まるからです。

歩いた距離が短かったり、有名な観光スポットがある街ではだいたいこの時間に街歩きをします。巡礼中に訪れる街のほとんどは小さい街なので1時間くらいで十分見て回ることができます。

日曜日など曜日や時間によってはミサが行われます。せっかくキリスト教の巡礼道を歩くのですからタイミングが合えばミサに参加してみましょう。

運が良ければ十字架のネックレスがもらえるかもしれません。そうでなくても厳粛な空気の中行われるミサはキリスト教徒でなくても何か感じるものがあるはずです。

19時~21時:夕食

サンジャン・ピエ・ド・ポーで泊ったアルベルゲの夕食

夕食は外食7割(アルベルゲの有料夕食含む)、自炊3割くらいの比率でした。

本当は自炊して節約したかったのですが、キッチンのないアルベルゲが多いこと、キッチンはあっても小さい商店しかなくあまり食材が手に入らないこと、あまった食材を持ち歩きたくないこと、などから自炊比率は少なめでした。

自炊する場合は19時くらいにはキッチンが混みあうので、早めの時間に夕食の準備をするのもいいでしょう。

巡礼中は食堂で巡礼者向けの格安コースメニューが€10前後で食べられるので節約派でもそこまで負担は大きくありません。巡礼中は基本的に宿代と食費しかお金かかりませんからね。

レオンやブルゴスなど大きな町などでは食事のあとバルをハシゴすることもありました。他の巡礼者とのコミュニケーションも楽しいひと時です。

22時:就寝

多くのアルベルゲは消灯時間が決まっているため、ほとんどの人が22時には就寝します。

アルベルゲはマットレスが一枚敷いてあるだけのところも多く、季節や州によっては夜寒いので寝袋は必需品です。また、シーツは有料の所も多いので自前のシーツを持っていくといいでしょう。

巡礼に持っていく荷物に関しては次の記事を参考にしてください。

まとめとちょっとした注意点

サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道しるべ

巡礼者の一日のイメージが少しでもつかめたでしょうか?

これから巡礼に向かうのであればザックリのイメージだけつかめれば大丈夫。歩いているうちに自分なりのリズムが出来上がっていくはずです。

注意点としては今回例に挙げた私の一日のスケジュールは結構「キツい」スケジュールだということです。私は普通の人よりだいぶ早いペースで約900kmを29日で踏破しましたし、朝食も昼食もほとんど摂らず30kmも40kmも歩いていたからです。

また、フランス人の道ならパンプローナ、ブルゴス、レオンなど有名な観光地を通ることも少なくありません。私はそういう町では観光もがっつりしたかったので数日前からペースを調整して、早い時間に到着するようにし観光の時間を作っていました。

大事なのはこのスケジュールを妄信するのではなく、自分の体力や時間、予算などと相談して自分のペースを作ることです。

それでは。Buen Camino!

 

スペイン
三矢英人

バックパッカー/トラベルライター/チェコ親善アンバサダー2018/米国公認会計士(USCPA-Inactive)

1986年神奈川県生まれ。「行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、飲みたい酒を飲む」をモットーに2013年11月から2019年4月まで無帰国長期旅行していました。

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