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手段が目的化したことで「世界一周」はダサくなった

エッセイ
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どうも。三矢(@hideto328)です。

ここ最近なんとなく考えていること。

「世界一周」ってもはやダサくないですか?

2012年くらい前まではまだカッコよかった

俺がまだ働いていた2012年くらい。その頃はまだ世界一周ってかっこいいイメージがありました。実際俺も「世界一周します」って啖呵切って会社辞めましたし。

当時はLCCがまだ今ほど広まってなくて、一方で世界一周航空券が全盛期で、海外を旅行するために休学したり会社を辞めたりする人は相当頭のイかれた人だった(今もあまり変わらないと思うけど少し世間の見方がマシになった気がする)。

自分の周りに世界一周した人やこれからする人はそこそこいたけど、それは自分が旅行が好きでそういう人とよく付き合っていたからそれなりにいただけで、日本で普通に学校を出て、就職をしてという人の周りにはほとんどいなかったんじゃないだろうか。

それがこの5年で急激に変わってきたように感じる。

今や猫も杓子も世界一周する時代

その5年くらい前までは世界一周をする、というとそれこそ大げさでなくて人生をかけた大バクチみたいなところがあったと思うんです。

近年変わってきたとはいえ、やっぱり日本は敷かれたレールの上をただひたすら走り続けることが好まれる社会だし、そのレールから外れたらただひたすら転落して行くだけ、みたいなところがあるので。

それが変わった。

日本を出国してからこの3年半、世界一周旅行中だという人に相当数会った。もちろん俺がこういう生活をしているから日本で働いている人より出会う機会が多いということはある。でも働いていた時に短期で海外旅行をしていた時は稀にしか会わなかったことを考えると相当増えた。

それはそれでいいことだとは思う。

でもここ最近のその数の多さって異常だと思うんですよ。そしてどうしてそんなに増えたのかっていうのが本題なのです。

「世界一周」という手段が目的に変わった

最近、世界一周が目的になっている人、多くないですか?

世界一周がしたくてお金を貯める。
世界一周がしたくて休学する。
世界一周がしたくて会社を辞める。
世界一周がしたくて旅に出る。

俺、思うんだけど世界一周って、あくまで手段だったり、結果だよね?目的じゃないよね?

行きたいところに効率よく行くためにルートを練ったその結果が地球をぐるっと一周回るルートになっただけだよね?

それが最近変わってきていませんか?って。

短い期間でする一周に意味はあるのか?

その手段の目的化の最たる例が超短期間での世界一周。

俺が最初に違和感を感じたのは旅行作家の吉田友和さんが上梓された『10日もあれば世界一周』だ。

念のため断っておくと、僕は日本を出る前に吉田さんの『してみたい!世界一周』は購入して結構しっかり読んでいたので著者そのものを否定するものではないです。『してみたい!世界一周』は世界のいろいろな街や見所がテーマごとにまとまっていて観やすく、旅行先を考えるのにかなり便利です。

話を戻すと、そんな短期間で回ったところでなんか意味があるの?と。

個人的には半年の世界一周もなんだかなーと思うわけです。駆け足で観光地を回ってその結果残るものってなんなのかな、と。

それが10日て。それどころかつい最近は5日でどうのという記事も読みましたよ。

もちろん大学生とか若い人ならそこでいろいろな考えや価値観に触れることで今後の人生に与える影響もあるんだろうけど、それなりのいい大人がそんな短期で世界を回ったところで忙しかった記憶しか残らないんじゃないの?って。

これは俺の超個人的な考えと実体験に基づく経験によるけど、半年で世界一周した人より半年インドだけを旅行した人の方がおもしろいよ、絶対。

もはや「世界一周」はダサい

そんな「世界一周の目的化」によってかつてあれだけ輝いて見えた「世界一周」という単語はもはやダサくなってしまったのです。

その気になれば誰でも、それこそ「5日もあれば」できるわけだから。

もちろん、自分なりにこだわりとプライドを持って世界一周するんだ!っていう人は俺の意見なんか無視してやりたいようにやればいいと思うよ。

何が言いたいのかっていうと、周りに流されてイメージで世界一周に憧れを抱いている人には、世界一周ってあくまで手段であって目的じゃないんだよ。そんなダサい旅行よりも自分が行きたい旅先を心いくまで追求していこうぜって言いたい。

ディープなインドを旅するとか、アフリカの秘境を目指すとか。そういう旅行をした方が記憶にも残るし、より濃い、かけがえのない経験ができると思う。

そりゃそうだよ。

半年で30ヶ国とか駆け足で回ったら一カ国あたり1週間もないんでしょ?半年インドを旅するのと一カ国の濃度が断然違ってくるでしょ。

そういうことです。

念のため言っておきますけど、世界一周するって啖呵切って会社辞めたくせに新大陸に行く資金が尽きそうだから僻んでるわけじゃないですよw

なんかうまくまとまってないけどそんなことを今日考えたので記録しておきます。後日加筆修正するかも。

では。

エッセイ
三矢英人

バックパッカー/トラベルライター/チェコ親善アンバサダー2018/米国公認会計士(USCPA-Inactive)

1986年神奈川県生まれ。「行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べ、飲みたい酒を飲む」をモットーに2013年11月から2019年4月まで無帰国長期旅行していました。

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