少し前になりますが、東京は天王洲で開催されていた「GEORGIA Homeland of Wine 世界最古のワイン ジョージアワイン展」に行ってきました。
ワイン展はもう終わってしまいましたが、自分の備忘録を兼ねて行けなかった人のために会場の様子や内容について紹介します。
「ジョージアワイン展」イベント概要
※ジョージアワイン展はすでに終了しています。
- 開催期間: 2019年3月10日(日)~5月7日(火)(休館日3月25日、 4月8日、4月22日)
- 開催時間:11:00~18:00(平日金曜は11:00~20:00)
- 入場料:1,000円(未就学児は無料)
※ジョージアワイン展特製オリジナルパンフレット付き - 会場:寺田倉庫B&C HALL(東京天王洲)
会場は天王洲アイルの寺田倉庫
と、言うことでやってまいりました。ジョージアワイン展。
会場は天王洲アイル駅から徒歩約5分の寺田倉庫でした。
建物の角にデカデカと看板が出ているのでわかりやすかったです。
矢印に従って進んでいきます。有料試飲コーナーが先に見えますが、ここを通り抜けてぐるっと回りこむと……、
「ジョージアワイン展」正面入り口にたどり着きます。
1階は映像と展示
入口入ってすぐのところに受付があるのでそこで入場料1,000円を支払い、特製パンフレットとチケットの半券をいただきます。この半券を提示すると有料試飲コーナーが一部無料になるので無くさないようにとの忠告を受けます。
ま、俺は途中で失くしたけどな。
映像コーナーで概略をつかむ
展示の最初は映像コーナー。3分間の映像が2本流れます。何でもソニーの最新映像システムを採用しているのだとか。
公式サイトの説明によると、
ソニーの最新映像システム「Warp Square」は、4K超短焦点プロジェクターの映像を
壁面に投影することで、部屋そのものを仮想空間にするソニーの映像システム。
継ぎ目のない高画質映像に囲まれることで、あたかもそこにいるかのような体験ができます。
だそうです。ぶっちゃけそんなすごいものには思えなかったw
ただ、面白かったのが映像の途中で画面を触ると映像が変わる部分があって、下の写真だと、地域名を押すとその地域で作られるワインの種類や説明が表示されたりする点ですね。
他にも、この展示会で展示されている展示品の説明とかもあったので、もしかしたら最初だけじゃくて一回展示を見終えてからもう一回映像を見ても楽しめたかもしれません。
特に多かったのは土器の展示
映像展示を見た後は展示品を見て回ります。展示内容は貴重な文物とパネルが半々くらいの割合で、多すぎず少なすぎずちょうどいい分量でした。グルジアワインの歴史とか現在、歴史的価値のある酒器などが展示されていて見てるだけで楽しい。
個人的に興味深かったのが下のパネル。
映像コーナーにもありましたが、地方ごとに主要なワイン銘柄とか名産品とかが描かれている。
改めて隠れたチーズ大国だよなーと思う。グルジアでお宅とかにお呼ばれすると高確率で自家製ワインとスルグニチーズが登場します。
グルジア国立博物館も主催者に名を連ねているだけあって見ごたえのある展示品が多数展示されていました。
土器だらけ…。まあグルジアでワインに関係する貴重な代物と言ったら土器だらけになるのもやむなしですが。ちなみにグルジア語でも「ドキ」と言います。
動物をかたどったドキは使いづらそうではあるけどかわいい。
使いづらそうと言えば、こんなどうしてこの形にしたのかまったくもって理解ができないドキも展示されていました。こんなのはグルジアでも見たことがないぞ!
乾杯マスター「タマダ像」
そして一番テンションが上がったのがこちら。
え、なに、よくわかんないって?
しかたがない、ズームしてみましょう。
タマダー!!!!!
これは宴会の仕切り役「タマダ」をかたどった紀元前7世紀の銅像。右手に持っているのは動物の角を使った杯です。杯を乾かさないとテーブルに置けない鬼畜仕様。
パンフレットによると、
ジョージアの宴席を特別なものにしているのは料理ではなく、「タマダ」と呼ばれる宴席の仕切り役が演じる重要な役割です。
簡単に言うと宴会の司会進行係かつ乾杯係みたいな宴会で一番偉いお方なのです。タマダが乾杯しないと宴会の参加者はワインを飲んではいけないなどいろいろなルールがあります。
現地の飲み屋で一人で飲んでいるとよく隣のテーブルの飲み会に呼ばれることがあるのですが、そんな時もタマダが合図を取って乾杯の口上が始まります。といってもグルジア語もロシア語もあまりわからないのでどちらの言葉で話されてても何言ってるのかさっぱりなのですが。で、タマダが口上を述べ終わるとみんなで乾杯!と相成るわけです。
#ムツヘタ にて現地人の飲み会に混ぜてもらう。 #グルジア pic.twitter.com/J3ZFNtmh84
— 三矢英人 (@hideto328) October 14, 2017
余談ですがグルジア語で乾杯は「ガグリマジョス」なので覚えておくと現地で役に立つでしょう。さらに余談ですが、ロシア語ではとりあえず「ザ・ズダローヴィエ」を覚えておけば大丈夫です。
他にも、金細工やモザイク壁画(コピー)の展示などがありました。個人的にはモザイク壁画が興味深かった。ザリッサ(地図)というところにあるらしく、トビリシから1時間もかからず行けそうなところなので次回機会があったら行ってみたいな、と。
クリスタルでできたブドウのオーナメント
もう一つ展示物があってそれがこちらのブドウのモニュメント。
クリスタルでできたブドウが木からぶら下がっているという代物で、公式サイトでも結構推してたのですが、個人的にはなくていいかな、と。
まあ、こんなフィルターも貸し出していましたし、インスタ映えとか言うのを狙ったんでしょうね。
ちなみにこのフィルター試しに使ってみましたけど効果のほどは全く分からずw
なお、この木の枝にもタマダー先輩は鎮座しておられました。
お待ちかね、試飲会場は2階に
1階の展示を満喫したら2階の試飲コーナーに移動します。むしろこっちがお目当てなので否が応でもテンションが上がります。
当日試飲できたワインはこちら
試飲してきたワインを紹介していきましょう。
まず白ワイン。グルジアのワインと言ったら赤もいいけどやっぱ白だよね!って言うのが個人的なイメージなので最初にこれが出てくるのは納得。
左からステンレスタンクのカツィテリ、クヴェヴリのカツィテリとキシ。特にクヴェブリで作ったワインは美しいオレンジ色で、初めて見た人は「ほんとうにこれ『白』ワインなの?」と思うはず。
補足すると、「クヴェヴリ」は8,000年前から使われているワイン醸造のための素焼きの壺で、グルジアの伝統製法で作られたワインというとクヴェヴリを使って作られたものを指します。ブドウの果汁だけでなく、果皮や梗、種をクヴェヴリに一緒に入れて発酵させることで、伝統製法で作られた白ワインは白というよりは琥珀色をしています。これらのワインはその独特の色から「アンバーワイン」とも呼ばれます。
上でステンレスタンクと書いたのはクヴェヴリではなく現代的な技術を用いて作られたワインであることを意味します。
クヴェヴリを用いたワインの製法は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
続いて赤ワイン。品種はオジャレシとサペラヴィ。オジャレシはグルジア西部のサメグレロ地方で主に栽培されている品種。サペラヴィはたぶんグルジアで一番有名なブドウの品種。どちらもドライ。
続いてセミスイートのキンズマラウリ。セミスイートと呼ばれていますががっつり甘いです。ジュースとかシロップみたい。私は大好き。何を隠そう今年の1~2月にグルジア滞在した時も最後に買ったのはホームメイドのキンズマラウリでした。ちなみにこのキンズマラウリ、真偽のほどは定かではありませんが一説によるとあのスターリンも愛飲してたとか。
最後にチャチャ。チャチャはブドウの蒸留酒でアルコール度数が非常に高い。試飲した銘柄は42%くらいだったと思うけど現地では50%とか60%とか言っている。
現地で風邪ひいたとかいうと「チャチャ飲めば」一発で治る!みたいなことを言いながらおじさんおばさんたちがしきりに勧めてくるし、なんなら朝食から振舞われたりもする非常に危険なお酒である。
現地で飲むチャチャはホームメイドばかり飲んでいたからか雑味があるものも少なくなかったけど、この試飲したチャチャはそういう癖がなくて飲みやすかった。別の言い方をするとちょっと物足りない。
試飲会場の隣はワイン醸造に使う道具の展示。
さて、試飲。種類は色々飲めたけど量はかなり少なめ。各種お猪口1杯にも見たいない料だったのが非常に残念であった。そこはぜひともグルジアクオリティにして欲しいところだ。
カフェではヒンカリもどきも食べられる
展示会場2階は試飲コーナーだけでなくカフェスペースもありました。
ここでは有名グルジア料理の双璧ヒンカリ、ではなく「‘ヒンカリ’風水餃子」が食べられる、ということで期待していたのですが、1日20食限定ということで訪問した午後3時過ぎにはすでに売り切れていました…(ちなみに双璧のもうひとつはハチャプリ)。
メニューには日本風にアレンジって書いてあるから多分コリアンダー抜いたりしてるのでしょう。
グルジア料理は結構パクチー使うので苦手な人も多いです。あと全体的に味濃いしね。居酒屋メニューみたいで飲兵衛な俺は好きだけどさ。
試飲じゃ物足りない人はここでグラスワインが飲めました。この日はカツィテリのドライ白ワインと、キンズマラウリ。それぞれ800円。18ラリあったら現地で…なんてことは考えてはいけない。
カフェコーナーには来場者のメッセージが。令和になってすぐだったこともあり平成とか令和とかやたらと書いてあったのですが、一番気になったのは下の方にチョコンと「Zikomo」って書いてあったことですね。なんでマラウイ語。
有料試飲コーナー
メインの展示は以上でおしまいですが、メイン会場の外に有料試飲コーナーがありました。
有料試飲コーナーはざっくり3つに分かれていてワインの試飲ができるのが2か所、ジュースの試飲ができるのが1か所ありました。ジュースの試飲は無料でザクロジュースなんかが飲めました。濃厚。
それで有料試飲エリアのうち片方はワイン展訪問者は半券を見せたら無料(通常500円)。「3種類のジョージアワインがお試しできます」と書いてありましたがなんと6種類も試飲できました。内容はカツィテリ、サペラヴィ、キンズマラウリなど白赤おりまぜて。ここも種類は試せるけど量は少なめ。ただ一通り試飲した後、好みのワインをもう一回飲ませてくれたのは嬉しかったですね。
ここではワインの販売もしてて1本3,000円くらいから1万円くらいまで。
まとめ:パンフレットが充実してて良き
と、いうことで「ジョージアワイン展」イベントレポートでした。ワイン展自体はもう終わってしまいましたが、会場の雰囲気やグルジアワインについて少しでも伝わればうれしいです。
ところでワイン展でもらったパンフレットがすごくよかったです。これだけで値段の半分くらいの価値があるんじゃないかってくらい。
ワイン展で一番良かったのは入場時に貰える約50ページのパンフレットかな。ワイン展の展示と被る部分もあるけれどクヴェヴリに関する解説やグルジアの地方毎のぶどうの種類や製法、土壌のタイプなどの解説は興味深く、また500以上あるグルジア固有種のうち20もの品種について解説されてるのは嬉しい。 pic.twitter.com/8ohVVD7C67
— 三矢英人 (@hideto328) May 2, 2019
物もグルジア国家ワイン庁作成の児島康宏さん訳なので信頼して読める代物。
ちなみにグルジアワイン展、一緒に行った人の反応は傍目には微妙に思えたwたしかにグルジアのオレンジワインは飲み慣れないと最初は違和感あるかもしれないが、個人的には懐かしい味がして非常に満足でした。なのでグルジア行ったことある人に特におすすめ。ただし間違ってもラリ換算してはいけない。
— 三矢英人 (@hideto328) May 2, 2019
久しぶりにグルジアワインを飲んで、日本でも少しずつ知名度が上がってきたグルジアワイン。もっともっと気軽に買えるようになったら嬉しいなと思いました。
グルジアワインについてより詳しく知りたい方にはこの本がおすすめです。
こちらは現在日本で手に入るグルジアワインに関する本で最も詳しい本です。クヴェヴリワインの製法はもちろんのこと、地域ごとの特徴やグルジア料理、個別のワイン生産者に至るまでこと細かく書かれています。
現地に滞在していた時も在住邦人の中でよく話題になっていた本で、グルジアワインに興味がある人にはすごくお勧めです。
グルジアワインはネットでも購入できます
この記事を読んでみてグルジアワインに興味を抱いたそこのあなた!グルジアワインはロシア料理屋によく置かれています。また大手ネット通販でも広く売られ始めています。
物によっては安く買えるものもありますので試しに飲んでみるのもおすすめですよ!
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